その人の大事な人が亡くなっても
世の中は変わらない
その人の大切にしていた
花も枯れず依り一層に
咲き乱れる なんと非情な


黒いベールの中で 悲しみ色の
ペンダントを胸に 見えぬ彼岸を見つめ
色なき唇でかすかに呼びかける

されど肉体をまとった妻の魂の
瞳には何もうつらずず
そばだてる耳には何も届かず
枯れた心には何も響かず
ほつれ毛が かすかに揺れるだけ

わたしに深い悲しみを残した人よ
この世の修行を終えて
旅立った人よ 願わくは 神の御元にて
わたしのこの世の修行を
見守って欲しい。